
映画『汝、星のごとく』が、2026年10月9日(金)に公開されます。第20回本屋大賞を受賞した凪良ゆうさんの小説を、藤井道人監督が実写化した作品で、主演は横浜流星さんと広瀬すずさんです。
ただ、ラボ長は原作を読んでいません。同じ凪良ゆうさん原作で二人が共演した『流浪の月』も、観ていません。そんなラボ長が、公開前に何を知っておけば、安心して劇場へ行けるのか。
この記事では、公開日やキャストなどの基本情報を押さえたうえで、公式発表を半年分たどります。広告の仕事を17年続けてきた目線で、宣伝の組み立ても見ていきます。
目次
TABLE OF CONTENTS
『汝、星のごとく』の公開日・キャスト・上映時間
公開が近づくと、日付や上映時間、出演者を別々のページで確認することになります。
公式サイトと映画.comの発表を、表で整理します。
主演の二人以外の出演者は、松村北斗さん(久住尚人)、中村アンさん(二階堂絵理)、濱田岳さん(植木渋柿)、尾野真千子さん(青埜ほのか)、木村佳乃さん(井上志穂)、石田ゆり子さん(林瞳子)、長谷川博己さん(北原草介)の7人です。カッコ内は役名です。
ネタバレなしのあらすじ|原作未読の人向け
舞台は瀬戸内の島です。京都から転校してきた高校生の青埜櫂(あおの かい)は、漫画の原作者になる夢を持っています。島で生まれ育った井上暁海(いのうえ あきみ)は、刺繍を仕事にしたいと願っています。二人はそれぞれ家庭の事情を抱え、互いに惹かれ合います。
やがて櫂は夢を追って上京し、暁海は家族を支えるため島に残ります。離れた二人の前に、いくつもの岐路が現れる。公式の紹介では、15年にわたる愛と選択の物語とされています。結末は、この記事には書きません。
原作を読んでいなくても、公式サイトのキャスト紹介を見ると、物語の軸になる人物は、高校生の二人と、それぞれの母親、学校の先生、仕事仲間です。予告で描かれるのも、出会いから15年の流れです。ただ、原作を知らなくても楽しめるかどうかは、観てみないと分からない部分です。ここでは、公式が明かしている範囲にとどめます。
区分はPG12で、12歳未満は保護者の助言・指導が必要です。宣伝のコピーは、4月のティザーが「この恋は、あまりに苦しい。」、8月の新ビジュアルが「愛する人のために、人生を誤りたい」です。どちらも軽いデート映画の言葉ではないので、気持ちの準備をして行くほうがよさそうです。
主題歌はRADWIMPS「夕星」|藤井監督と3度目のタッグ
主題歌は、RADWIMPSが書き下ろした「夕星-ゆうづつ-」です。藤井監督の「どうしても」というオファーに応え、野田洋次郎さんが撮影地の瀬戸内を訪れてから曲を作ったと、ORICON NEWSが伝えています。公式の発表では、藤井監督とRADWIMPSのタッグは3度目です。
「夕星」は、夕方の空に光る金星の古い呼び名で、タイトルの「星」にも重なる曲名です。主題歌の発表は8月3日で、本予告と新ビジュアルの解禁と同じ日でした。サウンドトラックは10月7日に発売されます。楽曲そのものは、10月2日から配信が始まっています。
公開半年前から月1回|公式発表を時系列で見る
原作を読んでいないラボ長が、公式サイトのニュース欄を、古い順に並べてみました。
表で整理します。
広告の仕事をしてきた目線で、気づいた点が2つあります。
1つ目は、「毎月9日」という約束です。公開日の10月9日に合わせて、公開まで毎月9日に新しいビジュアルと映像を出しています。広告には、同じ人に何回届いたかを数える「フリークエンシー」という考え方があります。月1回の決まった日があれば、観客は次の更新を待てますし、公式は同じ人に何度も届けられます。
2つ目は、キャスト発表の分け方です。共演の7人を、5月に4人、6月に3人と、2回に分けて発表しています。話題が途切れる時期を作らないための間隔に見えます。
毎月9日のビジュアルは、韓国のデザインスタジオPropagandaが手がけています。9月には釜山国際映画祭への出品と、アジア6以上の国と地域での公開も発表されました。海外も視野に入れた動きかもしれません。
今治・チェキ・大井競馬|タイアップに見える3つの狙い
公式サイトには、映画の外へ出ていく企画が並んでいます。ラボ長は、狙いが3つあると読みました。
① 舞台の今治を巻き込む。今治では、特設サイトの公開、コラボTシャツ(2,500円・税込)の発売、主演の二人が訪れた凱旋キャンペーン、コラボ花火の企画が実施されました。ビジュアルブックにも、ロケ地の観光マップが入ります。映画を観たあとに「行ってみたい」と思った人の、次の行動まで用意されています。
② 作品のテーマと商品を重ねる。富士フイルムのチェキとのコラボは、「かけがえのない時間」を写真に残すという公式の説明のとおり、作品の世界観とつながります。10月9日から29日まで、六本木のフジフイルム スクエアで写真展も開かれます(入館無料)。
③ 意外な場所にも名前を置く。10月9日の大井競馬では、メインレースが「汝、星のごとく賞」になります。恋愛映画の名前が付いたレースが、公開初日の20時10分に走ります。映画の宣伝が届きにくい場所にも、題名を置く狙いかもしれません。マジか、と思いました。
LABO CHIEF'S NOTE
ラボ長のひとこと
原作を読んでおらず、『流浪の月』も観ていない自分でも、半年分の発表は、日付順に並べるだけで、ひとつの流れとして見えました。
宣伝は、公開日に終わりません。
観たあとに今治へ行く人、チェキで写真を撮る人まで含めて、設計されています。
観る前に確認|舞台挨拶・パンフレット・ビジュアルブック
劇場に行く前に確認しておきたい情報を、公式サイトの発表から表にまとめます。
初日舞台挨拶の応募方法は、公式サイトのニュース欄から確認できます。
結論:宣伝は優秀。切ない恋愛劇が平気なら公開週に劇場へ
広告の仕事を17年してきた目で見ても、宣伝はよくできています。半年前からの月1回の更新、舞台の今治、チェキ、競馬場まで、観客との接点が途切れないように組まれています。
ただ、宣伝のうまさと映画の出来は別の話です。ラボ長は原作を読んでおらず、『流浪の月』も観ていないので、中身については何も言えません。切ない恋愛劇が平気で、予告や主題歌が気になった人は、公開週に劇場へ行って大丈夫です。初日の舞台挨拶のように、公開週にしか味わえないものもあります。
切ない話や重い展開が苦手な人は、感想が出そろう公開後に決めても遅くありません。
宣伝の組み立てとしては、満点に近い。映画の中身は、観た人の感想で確かめてください。映画館で過去作を観る企画は、『踊る』シアターの記事でまとめています。