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セール「◯%OFF」は本当に安い?消費者庁のガイドラインで見る3つの確認

11月は、ブラックフライデーなど、ネット通販の大きなセールが続く時期です。商品ページには「◯%OFF」「通常価格から値下げ」といった表示が並びます。

でも、その「◯%OFF」は、何と比べた数字なのでしょうか。元の価格が高ければ割引率は大きく見え、低ければ小さく見えます。「本当に安いのか」と迷った経験がある人は、多いと思います。

読み終えるころには、「◯%OFF」を見たとき、何を確かめればいいかが分かります。2026年10月29日時点で確認できた消費者庁の公表資料をもとに書いています。ラボ長は広告運用歴17年で、価格表示のルール(景品表示法)の確認を、仕事で日常的にしています。

結論:「◯%OFF」は、何と比べた数字かで安さの意味が変わる

買う前に確かめるのは、次の3つです。

1
同じ商品か型番・世代・新品か中古か
2
比べた価格は何か「通常価格」「メーカー希望小売価格」など、どんな価格か書いてあるか
3
いつからの価格かその価格で売られていた時期と期間(セールの直前の数週間)

消費者庁は、事業者向けに「価格表示ガイドライン」(不当な価格表示についての景品表示法上の考え方)を公表しています。そこでは、比べた価格の内容が実際と違ったり、あいまいだったりすると、消費者が「安い」と誤解するおそれがあるとされています。割引率の大きさだけでは、安いかどうかは決まりません。

「本当に安い?」と疑われる理由:セールの割引は、何と比べるかで変わる

セールの表示では、売り手が自分の販売価格と、それより高い価格を並べることがあります。これを二重価格表示といいます。「通常価格10,000円(税込)のところ8,000円(税込)」のような表示です。

売る値段は、どちらも8,000円(税込)です。

比べた価格が

10,000円(税込)

20%OFF

比べた価格が

12,000円(税込)

約33%OFF

割引率は、何と比べるかで変わります。二重価格表示は、内容が正しければ問題はなく、消費者が商品を選ぶ助けにもなります。ガイドラインでも、そう書かれています。問題になるのは、比べた価格が実際と違う場合です。

比べる価格は、主に次の3種類です。

比べる価格表示の例買う側が確かめること
過去の販売価格「通常価格」「セール前価格」その価格で、いつ、どのくらいの期間売られていたか
メーカー希望小売価格「メーカー希望小売価格から◯%OFF」メーカーが設定して、事前に公表している価格か
他の店の価格「他店より安い」「市価」同じ商品の、最近の、実際に買える他の店の価格か

どの価格と比べる場合も、「同じ商品」であることが条件です。ガイドラインでは、新品と、中古品や旧型は、同じ商品とは考えられないとされています。

過去の価格と比べる表示:消費者庁の「8週間」の目安

「通常価格」という表示を見た人は、ふつう、同じ商品がセールの前にしばらくその価格で売られていたと受け取ります。そこで、ガイドラインは、比べる価格に使える過去の価格かどうかの目安を示しています。

目安は、次のとおりです。セール開始時点から8週間さかのぼり、その価格で売られていた期間が半分を超えていると、比べる価格に使えるとみられます。ただし、その価格で売られた期間が通算で2週間未満の場合は、使えるとはいえません。その価格で最後に売った日から2週間以上たっている場合も、同じです。発売から8週間たっていない商品は、販売していた期間で同じように見ます。

考え方をつかむための例です。10,000円(税込)を「通常価格」として表示し、8,000円(税込)で売る場合を考えます。

10,000円(税込)で売っていた週
それ以外の価格の週

8週間のうち6週間、10,000円(税込)で売っていて、セール直前まで同じ価格だった

8週間前セール開始
✓ 比べる価格に使えるとみられる半分を超えている

最初の2週間だけ10,000円(税込)で、残りの6週間は8,000円(税込)前後で売っていた

8週間前セール開始
× 比べる価格に使えるとはいえないガイドラインにも、同じ形の例があります

8週間のうち5週間は10,000円(税込)だったが、最後に10,000円(税込)で売ったのは3週間前

8週間前セール開始
× 比べる価格に使えるとはいえない最後に売った日から2週間以上たっている

これは目安です。実際に不当表示かどうかは、個別の事案ごとに判断されます。

実際に、提供実績のない「通常価格」と比べて安く見せていたとして、消費者庁が措置命令を出した例があります。

OFFICIAL POST

消費者庁の公式Xの投稿(2024年5月30日)

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10月29日時点の数字です

割引率・ポイント還元率の表示で、注意が必要な2つのパターン

ガイドラインは、割引率やポイント還元率の表示についても、二重価格表示と基本的には同じ考え方を示しています。そのうえで、不当表示のおそれがある例として、表示価格の引き上げと、最大割引率の見せ方を挙げています。

元の価格がセール直前に引き上げられていると、同じ「30%OFF」でも、実際の安さは小さくなります。表示価格をセール直前に引き上げて、そのあとに割引率やポイント還元率を表示することは、ガイドラインで不当表示のおそれがあるとされています。

注意が必要なパターン表示の例買う側が見ること
表示価格をセール直前に引き上げて、割引率を表示する「表示価格から30%OFF」「ポイント還元5%アップ」その商品の価格を、セールの前から見ておく
最大の割引率・還元率を、一部の商品にしか当てはまらないのに目立たせる「最大50%OFF」「最大20%還元」その率が当てはまる商品の範囲と条件が書いてあるか

買う前に確かめる3つのこと:同じ商品か・比べた価格は何か・いつからの価格か

どれも、商品ページと、セールの前に残す自分のメモで確かめられます。

商品名が同じでも、型番や世代が違えば、別の商品として見ます。新品と中古品も同じです。

比べた価格が何かは、「通常価格」「メーカー希望小売価格」といった名前で見ます。名前だけでは、いつの価格か分からないときは、説明や注記が付いているかも探します。「今年最安値」と書かれている場合の見方は、プライム感謝祭の記事にまとめています。

いつからの価格かは、商品ページに書かれていないこともあります。そのときは、自分で記録を残します。セールの前に、欲しい物の値段を日付つきでメモしておくと、セール当日に、比べた価格と見比べられます。メモは、次のような形にすると、見比べやすくなります。

商品名メモした日その日の価格(税込)セール当日の価格(税込)比べた価格とその名前(税込)
(例)◯◯イヤホン11月10日12,800円9,800円14,800円(「通常価格」)
     
     

おかしいと思ったときは:消費者庁の窓口と消費者ホットライン

表示がおかしいと感じたとき、消費者庁には、景品表示法に関する情報提供・相談の受付窓口があります(消費者庁の窓口のページ)。オンラインの「景品表示法違反被疑情報提供フォーム」で情報を送れます。ただし、窓口のページには、提供した情報についての措置の結果や調査の経過は回答していない、と書かれています。

買い物で困ったときは、身近な消費生活相談窓口を案内する「消費者ホットライン」(188)があります。

おかしいと感じた表示が実際に不当表示かどうかは、個別の事案ごとに判断されます。購入前に不安なときは、先の3つを確かめます。

LABO CHIEF'S NOTE

ラボ長のひとこと

割引の表示が信頼できるかどうかは、割引率の大きさよりも、比べた価格に根拠があるかどうかで決まります。

広告の表示は、比べた価格の根拠を説明できることが出発点だからです。

選ぶときは、割引率が大きい商品より、比べた価格の説明が書いてある商品の方が、安心できます。

この記事の情報について

消費者庁の公表資料(2026年10月29日時点で確認)をもとに、一般の人向けに説明した記事です。個別の表示が景品表示法に違反するかどうかを判断するものではありません。8週間の例の表とメモ表の数字は、考え方をつかむための例で、実在の商品や事業者を指すものではありません。

出典・参考資料

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